地球上におけるモビルスーツの航続距離の短さを克服するため、
機体そのものに飛行能力を持たせるべく開発された試験機。
飛行とはいっても、のちの可変モビルスーツなどのように航空機的な形態をとるわけではなく、
脚部に強力な熱核ジェットエンジンを搭載し、
大推力により飛翔させるという半ば強引ともいえる手段であった。
YMS-07AがH型1〜3号機、YMS-07Bが4号機として生まれ変わった。
コクピットハッチの形状にはYMS-07A、B型それぞれの特徴がそのまま残っている。
中でも3号機が比較的好調を示した。テスト開始後まもなく、
燃料増加のため背部にドロップタンクを取り付けた07H-2型に改修、
その後も数回の改良と試行錯誤が繰り返されている。
固定武装として、07C-1型同様に腕にマシンガン装備となっているが、あくまで試験機であるため、実戦を想定した武装ではなく、C型系列の展開を見越した試験的な採用と考えられる。
しかし、総重量80トンを越す自重が災いした事と、加えて構造の複雑な新型エンジンのコントロール系統の動作不調、搭載燃料の限界により航続距離が短いなど問題点が多い。結局はドダイGA爆撃機を利用したドダイYSプランに譲る事となったが、後に飛行を諦め熱核ジェットホバーによる滑走を行うことで実用化され、結果的にドムの開発へと繋がる事となる。
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